個性派俳優の萩原流行さんが先月22日、不慮のバイク事故で逝った。享年62。

 萩原さんが夫婦で長年闘っていたうつ病と事故の因果関係は、週刊誌各誌がGW合併号の締め切り直前ということなどもあり、あまり詳報されなかった。実は私は、事故翌朝に自宅前で報道対応した妻・まゆ美さん(62)に、その気になる点をしつこく聞いている。

 薬は30年間飲み続けていたそうだ。ただ「お医者さんもちゃんと考えてまして、夜寝るときはもちろん睡眠導入剤を飲みますけど、朝起きたとき飲む薬(精神的にリラックスするための薬)はそんなに強いものではないので、支障は今までずっとなかった」という。

 医者から運転をやめるよう言われたこともなく、体調が悪いときは、まゆ美夫人が車を運転して送ったり、公共交通機関を利用していたそうだ。事故当日の様子も「決して後のことを考えずに…みたいなことはなかったと思います」と夫人は振り返った。

 もちろん本人も「車を運転する前には(薬を)飲みませんので。そういうこと(薬の服用)は過剰にならないよう心掛けておりました」とのことで、事故への影響について夫人は「たぶんなかった」と推察した。

 萩原さんは3月、バイクで走行中に転倒し右腕を打撲。脳振とうを起こしているかもということで精密検査のためICUに4日間入り、その後は大学病院へ通院していた。完治はしてなかったが、医者から運転を控えるようにとは言われておらず、うつ以外に持病もなかったという。

 ちなみに萩原さんはもともと近視で、老眼も入っていたが、NASAで開発された視力矯正をもう何年もやっていて、運転は眼鏡なしで可能だった。「夜寝る前にコンタクトを入れて、眼球を矯正するんです。そういう医療方法があって、で、朝起きたらそれを取れば、寝てる間に眼球が一番ベストな形になり、一日はもつんです。よく見えるんですよ」

 萩原さんがうつを発症したのは30代半ばだが、「42年ずっと暮らしてきて、いろんな彼を見てますけれども、それ(うつ)で例えば芝居が変わったとか、その間に事故を起こしたとか、そういうことは一切ないので…」と夫人は力説。ここ2年で立て続けに起こした事故についても「あることないこと(報道で)書かれたということもあるので、本人は落ち込んでいた」という。

「これはちょっと言ってはいけないことなので、今回はコメントを控えさせていただきますけども、いろいろあったんですね。それで一昨年の事故まで引っ張り出されて、あれは全て過失ゼロという結果が出ておりまして、それを人身事故を起こしたというふうに書かれたことに関しては、非常に私たちとしては納得できないということがまずあります。その後の警察発表に関しても、ウチとしては納得できないということがあって、(夫は)フラストレーションも相当たまってたと思うんです」

 今回の事故は、警視庁の護送車の車線変更が発端だった可能性が明らかになったが、当初は萩原さんが長年うつで、何度も事故を起こしていることに焦点が当たっていた。それだけに「『やっぱりうつは…』みたいに言われるのを一番恐れてます。NHKで最初にうつを取り上げたとき、本人として出て、うつは決して特別なものではなく、誰でもかかりやすい、重い軽いは別にして、ちゃんと治る病気なんだというふうに認められてきたところだったので、病んでる方に対して本当に申し訳ないと…。それが(誤って)取り上げてしまうのは本当に心苦しいし、決してそういうふうに思ってほしくない」と夫人は眉をひそめた。

(文化部デスク・醍醐竜一)