プロ野球も開幕し、いよいよ野球シーズン到来となったが、自分には忘れられない開幕シリーズがある。それは2009年4月3日からナゴヤドームで行われた中日―横浜(現DeNA)3連戦だ。
実はこのカードの第1戦と第2戦、中日の落合博満監督(現GM)はほとんど不眠不休のまま采配を振っていた。といっても寝る間を惜しんで作戦を考えていたわけではない。実は自宅で「機動戦士ガンダム00セカンドシーズン」全25話のビデオを一気に見ていたのである。
前年、中日がV逸したことでガンダムファンの落合監督は、息子の福嗣さんから半年間の“ガンダム禁止令”というペナルティーを科せられていた。ガンダムを見ることを禁じられるだけでなく、部屋に飾ってあったガンプラもすべて福嗣さんによって部屋から撤去されるという徹底ぶりだ。
毎週日曜の夕方に放送されていた「機動戦士ガンダム00」を見るのを何よりの楽しみにしていた落合監督にとって、これがどれほどの苦しみであったかは想像に難くない。
それだけに禁止令が解除された開幕日の4月3日午前0時になるやいなや落合監督は動いた。開幕戦の応援のため名古屋入りしていた福嗣さんを「3日になったからガンダムを見よう」と起こして録画してあったビデオを受け取ると、そのまま朝まで一気に1話から15話分を見てしまったという。さらに昼ごろに起きると球場入りする前に17話までチェック。開幕戦で勝利を飾るやすぐに自宅に戻り、そのまま25話まで全部見てしまったというから、落合監督がどれだけガンダムに飢えていたか分かろうというものだ。
しかも落合監督のすごいところは、この時の開幕3連戦で采配がズバズバと的中し、横浜を3タテしてしまったことだ。プライベートの時間をこれだけガンダムに割いても、仕事ではしっかりと結果を残す。福嗣さんからこの話を聞いた時は思わず「オレ流すげえー」とうなったものだ。
かつてのプロ野球界には豪快な武勇伝や伝説を残すプレーヤー、監督がゴロゴロいた。昨年、楽天・星野仙一監督が辞任したことで球界からそんな豪傑の姿が消えかけてしまっているようにも感じる。“オレ流”を貫く最後のサムライ・落合GMに、もっともっと表舞台に出てきてもらって球界を盛り上げてほしいと思うのは自分だけだろうか。
(中京編集部長・宮本泰春)
オレ流・落合監督 2009年開幕シリーズ「不眠不休」の真相
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