沖縄県名護市の沿岸で米軍の新型輸送機MV22オスプレイが不時着を試み、大破する事故が起きた。
「米本土に比べ、日本では山間部などでの特殊訓練が多くなるので、パイロットの精神的負担が大きい。操縦に慣れてきたころが一番危ない。日本でも墜落するのは時間の問題」と警鐘を鳴らしていたのは、今年5月に鬼籍に入られた軍事評論家の神浦元彰さん(享年66)だった。
自衛隊少年工科学校に在籍していた神浦さんは、現場取材に裏打ちされた知識はもちろん、防衛省、軍需産業など幅広い人脈からのインサイド情報を持ち合わせ、長くメディアで活躍されていた。
テレビやラジオなどオープンな場にもかかわらず、「ここだけの話ですが〜」と権謀術数が渦巻く軍事の舞台裏を披露し、関係各所は慌てふためいたもの。
本紙でも北朝鮮、中東情勢からテロ、米軍・自衛隊など数多くの解説と裏ネタを提供していただいた。中でも「金正日総書記の死去」を事前に言い当てたのは、一番の衝撃だった。
よく過激といわれた神浦さんだったが、実は「メディアはすぐ戦争が起きるとあおる」とぼやき、いたずらに不安を駆り立てるのを嫌がっていた。冒頭のオスプレイ墜落予想も乗組員の心理を分析したうえで、単に危険だけを叫ぶ見方とは一線を画していたものだった。
そんな冷静沈着な神浦さんでも、いたく懸念していたのは南スーダンで自衛隊の駆けつけ警護による武器使用の拡大で、自衛官から犠牲者が出る事態とISやローンウルフによる国内テロの発生だ。
世界情勢はより混沌としていく中、一体どうなっていくのか。「東スポだけに教えてあげるからね。朝日新聞の1面トップを東スポが抜くなんて痛快だね〜」とちゃめっ気たっぷりに話す神浦さんの名調子がもう聞けないのは本当に残念な限りだ。合掌。
(文化部デスク・小林宏隆)
もう聞けない軍事評論家・神浦元彰さんの「ここだけの話」
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