昨年、今年とオカルト界では“タイムトラベラー”の当たり年だが、先日、水を差す“暴露”が行われた。タイムトラベラーで一番人気の「ノア」が自ら正体を暴露。16歳の少年がウソをついていたというのだ。

 基本的に、タイムトラベラーを自称する人たちは「時間軸を狂わせないため」という理由で顔にモザイクを入れ、匿名で動画をアップする。

 一番人気は、2030年からこの時代にタイムトラベルしてきたと自称するノアと名乗る男性。ウソをついていない証拠として、ウソ発見器で計測しながら動画を何十回もアップ。2030年に人類とエイリアンが接触すること、2032年にラナ・リミキーという人物がアメリカ大統領になること、2060年にAIが世界を統治すること、未来から持ってきた本、自分が使っている小型タイムマシンなど毎回、新しいおもしろ未来を披露していた。

 そのノアが13日、自らのユーチューブアカウントに「私は16歳のデニス・ベル。ノアの正体です。14歳からオカルトユーチューブチャンネルにお金をもらって、ウソをつき続けてきましたが、もうウソをつくのが怖くなりました。全部、ウソでした。ごめんなさい」と暴露してしまった。

 熱心なオカルト否定論者たちがノアの着ていた服、髪形、指輪、たまたま指についていたマジックの落書きなどと、世界中のインスタグラムやフェイスブックなどの画像を比較し、ノア=デニスくんであることを突き止め、デニスくんを脅迫したからだという。

 あるオカルトマニアは「作り話だと心の中で分かっていたけど毎回、わくわくする未来話を楽しんでいたのに。わずか2年で本当のことを言うなんて、オカルト史上最低のヤツですよ」と怒る。

 というのも、オカルトネタを「ウソでした」と真相を暴露するのは、何十年後というのが“マナー”。オカルトをエンターテインメントとして楽しむオカルトマニアたちは、できればウソは墓場まで持っていってほしいのだ。

 たとえば、ネッシーを1934年に初めて写した“外科医の写真”は、撮影者が死の間際である1993年に「おもちゃの潜水艦にネッシーの首の模型をくっつけたもの」と明かした。1995年に公開された“宇宙人解剖フィルム”は2006年に制作者たちがウソだと暴露した。

 それに比べ、ノアはたった2年で、ウソをつくことに耐え切れずに告白してしまった。オカルトマニアなら、せめて10年、いや最後までだましてほしかったと思うだろう。

(文化部デスク・三浦伸治)