【デスク発ウラ話】竜の聖地ラーメン店主「コロナ禍は中日に“追い風”」

2020年05月04日 12時00分

「ラーメン専科・竜」

 大反響だった。新型コロナウイルスによる影響で歴代の竜ナインたちの胃袋をつかんできたナゴヤ球場に隣接する「ラーメン専科・竜」(名古屋市中川区)が臨時休業を余儀なくされた苦境を4月23日の本紙紙面や東スポWebなどに記事を掲載。これまで星野監督や落合監督、高木監督、立浪、谷繁、平田ら、多くの中日関係者が舌鼓を打ってきた、いわば「竜の聖地ラーメン店」だ。

「こんな店があるんですね。コロナという事がなければ知り得なかった店かも知れないです。終息したら、ぜひうかがって冷麺をいただきたいので持ちこたえて下さい! 頑張りましょう!」「いつか行きたいです」などと同店を激励するコメントが多数寄せられた。

 窮状を訴えた店主の吉田和雄さん(78)は実はバリバリの硬式野球経験者。高校時代は横浜商業の野球部で「3番・中堅」でレギュラーを張り、神奈川県のベストメンバーに選出されたこともあり、進学した法政大でも硬式野球部で鳴らした。「Y校時代は毎年、優勝候補に挙げられながら準決勝止まりで結局、甲子園には行けなくて悔しかったね~。法政では3年生から野球部を辞めたけど、それは母校のY校の監督が病気になってしまったことで、急きょ、頼まれて監督を2年間務めた」と打ち明ける。当時、強豪校での学生監督は珍しい存在だったという。

 吉田さんはそんな異色の経歴の持ち主とあって、店にラーメンを食べに来た福田に「ボール球を振りすぎだから選球眼をよくしろ! とにかくストライクを打てば自然と本塁打が増えるぞ!」と諭すなど、竜ナインについハッパを飛ばしてしまうことも少なくないという。

 そこで1981年から38年間もの歴代の竜ナインを間近で見守ってきた“中日の生き字引”でもある吉田さんに今季の中日のことをいろいろ聞いてみると…。

 イチ押しの野手は阿部だ。「井端に似ていて打者として俺が好きなタイプ。広角に打てるし、勝負強い。どんな打者か自分をわきまえている。(規定打席に初めて到達し二塁のレギュラーを奪取した)去年並み以上は働けると思うし、やっぱり打点のあるバッターを目指してほしい」とほれ込んでいる。

 投手では梅津の名前を挙げて「将来のドラゴンズを背負っていく逸材。理想は小松とか、川上のようにエースと呼ばれる存在に育ってほしいし、そうなれるよ」と期待を寄せている。

 さらに与田竜、ひいては日本野球にも注文をつける。「星野監督もそうだったが、与田監督もつまんない野球をやっている。俺は送りバントが嫌いで判で押したようにやらない方がいい。メジャーの野球を中継で見ていると、1回から5回ぐらいまで無死や一死一塁で送りバントなんかするチームは見たことない。今でも日本はそんな野球をやっているようでは少しも進歩はない」とピシャリ。

 その上で「メジャーの選手は三振したって堂々とベンチに帰ってくる。中日や日本の選手は三振すると、下を向いて帰ってくるのも気に食わない」とヒートアップするばかり。メジャー流ベースボールを推奨している。

 そして球団史上ワーストの7年連続Bクラスにあえぐ中日を冷静に分析し、セ・リーグのペナント順位予想までしてくれた。「中日は普通に1年間やっていればやっぱりBクラスだと思う。だけどコロナの影響で試合数がかなり減ると思うから、短期勝負になれば中日とってはチャンスが生まれるはず。なぜかと言えば、攻撃力は弱いとは思うけど、それをそれなりにある投手力でカバーしていけば、5割以上の成績は残せるはず。でも今年はクライマックス・シリーズ(CS)もなくなりそうだからリーグ3位だろうが2位でも意味がない」と訴える。

 それを踏まえた吉田さんの順位予想は1位・中日、2位・広島、3位・巨人、4位・DeNA、5位・阪神、6位・ヤクルトだ。「セ・リーグには飛び抜けたチームがないし、仮にシーズンが試合ぐらいまで減ったとしたら、うまく流れに乗って40勝20敗とかでいけるかもしれない。そうすれば優勝もあるだろうし、非常に楽しみ」と目を輝かせる。

 ラーメンだけでなく、中日にもこれだけ情熱を注ぐ吉田さんは間もなく傘寿(80歳)を迎えるとは思えないほど、とにかくパワフルで熱い人だ。

(運動部主任・霞上誠次)