大相撲九州場所11日目(18日、福岡国際センター)、横綱白鵬(30=宮城野)が大関稀勢の里(29=田子ノ浦)を退け、唯一の全勝をキープした。右で相手の顔面に張り手を浴びせると、続けざまにはたき込んで転がし、取組後は「日ごろの稽古(の成果)が次々に出る。最後はきちんと反応した」と胸を張った。
10日目(17日)には関脇栃煌山(28=春日野)を相手に「猫だまし」を連発。日本相撲協会の北の湖理事長(62=元横綱)が「横綱がやるべきことじゃない」と苦言を呈するなど物議を醸した。この日の朝稽古後、白鵬は「一度やってみたいという素直な心。そういう技があるなら、本当に効くのか効かないのか試したかった。効きましたね」と改めて弁明した。
一方で「(猫だましのリスクは)ある意味、棒立ちだからね。もともとこの地位(横綱)は負けて批判される番付」とも言い切った。奇策を選択したのは、あくまでも技への探究心から。失敗のリスクを自ら背負って勝ったのだから問題はない…。これが白鵬が主張する“論理”だ。そこには、大相撲が長年にわたって紡いできた価値観が入り込む余地はない。おそらく、今後も考えを改めることはないだろう。
この日は一転、立ち合いからしっかり当たってカチ上げや張り手などの厳しい攻めで圧倒。本来の強さを見せつけた。その分、実力差のある格下の相手を奇襲で「もてあそんだ」との印象が色濃くなったことも確かだ。












