大相撲初場所で史上単独トップとなる33回目の優勝を果たした横綱白鵬(29)が26日、東京・墨田区の宮城野部屋で会見した。

 会見が始まると自ら切り出す形で「“疑惑の相撲”がある。13日目ですね。帰ってビデオを見たけど、もう子供が見ても分かる相撲。なぜ取り直しをしたのか」と審判部に対して批判を展開した。

 白鵬が問題視しているのは13日目の大関稀勢の里(28=田子ノ浦)戦。この一番は両力士がもつれる形で土俵下へ。行司軍配は白鵬に上がったが、審判から物言いがつき、同体と見なされ取り直しとなった。取り直しの相撲は白鵬が押し倒して完勝して優勝を決めたが、取り直しになったこと事態に納得がいかない様子だ。

「ビデオ判定は何をしていたのか。本当に悲しい思いでした。もう少し緊張感を持ってやってもらいたい。ビデオ判定は元お相撲さん(親方衆)でしょ。取り直しの重みは一番分かっているはず。こんなこと、二度とないようにやってもらいたい。こっちは命がけでやっている」

 大記録達成のおめでたいムードは完全に吹き飛んでしまうほど、白鵬の舌鋒は鋭かった。