新潟を拠点に活動するアイドルグループ「NGT48」が18日、新潟市内のNGT48劇場で定期公演「夢を死なせるわけにいかない」を開催した。1月に発覚した元メンバーへの暴行事件で揺れた同グループにとって、通常の定期公演は昨年12月30日以来約8か月ぶり。注目のステージでは事件への関与が疑われた西潟茉莉奈(23)が「真実ではないことが広まってしまって…」などと改めて騒動に言及したことで波紋が拡大した。本紙は運営幹部を直撃し、西潟の発言の真意を聞いた。

 久しぶりの公演では終始、ファンから温かい声援が飛び、メンバーの笑顔も見られたが、アンコール後に西潟が発した言葉で劇場の空気が変わった。涙ながらに「今日を迎えるまで真実でないことが広まってしまって。すごくメンバーみんな苦しんだんですけど、世間で言われているようなことが真実であるならば、このステージには絶対に立てません」と言い切ったのだ。

 5月に卒業した元メンバー・山口真帆(23)の暴行被害事件で揺れたNGT48。山口は事件への他メンバーの関与を訴えたが、否定するグループ運営側と対立が続いた。事態は運営側の対応が問われる騒動に発展し、地元イベントの降板などのダメージを負った。定期公演やイベント出演をほとんど行えなくなり“開店休業”に。同劇場での定期公演は約8か月ぶりとなった。

 そんな晴れ舞台で西潟が、冒頭の言葉を投げかけた。この「真実ではない」という言葉が具体的に何を指しているかを話さなかったため、ネット上は大炎上。「山口が告発した事件そのものなのか、ファンとのつながりの噂なのか、それとも背景として噂されたメンバー間の対立構造なのか。ファンは疑心暗鬼になっている」とはテレビ局関係者。

 西潟の発言について、NGT運営幹部は「メンバーへの脅迫や誹謗中傷が続き『黒メンじゃないか』などというコメントもやまない。それは真実ではないし、彼女を含めたメンバーもずっと疑われ続けてきている。運営側は実際に警察などに(脅迫などの被害を)届けているが、彼女の言葉として『真実ではないこと』は、事件にはまったく関与していないことを言いたかったんだと思う」と真意を説明した。

 西潟は太野彩香(22)とともに新潟県警から事情聴取を受けていただけに、より激しいバッシングを浴び続けている。

 運営会社・AKSは、山口への暴行容疑で逮捕(不起訴)された男性ファン2人を相手取り3000万円の損害賠償を求めた裁判を起こし、7月に新潟地裁で第1回口頭弁論が始まったばかりだ。

 前出のNGT運営幹部は「なぜ不起訴だったのか我々は分からない。その真相を明確にしたいので、民事訴訟を起こしている」。AKSとしては既に独自にメンバーを調査しており、事件に関与するつながりは認められなかった。それを受け、山口事件に関してメンバーの処分をしていない。