今、日本で最もツイッターが注目される人物といえば美容外科・高須クリニックの高須克弥院長ではないだろうか。炎上や批判を全く恐れない言動や姿勢は痛快そのもの。多くのネットユーザーを引きつけている。

 そんな父親に負けないくらい東海地区で知名度があるのが高須克弥院長の三男で高須クリニック名古屋院院長の高須幹弥氏である。東海地区では毎日のように幹弥院長が出演するCMが流れており、名古屋人なら誰もが幹弥院長の顔を知っているはずだ。

 穏やかな雰囲気を漂わせている幹弥院長であるが、実は柔道三段の猛者で東海高校時代には愛知県大会で3位になったほどの実力の持ち主。そして意外なことにアイドルグループ「SKE48」の熱烈なファンでもある。

 2年ほど前、中京スポーツの企画で、SKE48の公演を幹弥院長と一緒に取材したことがあった。公演も佳境に入ったときのこと。「バタン!」。後方で鈍い物音がした。振り返ってみると立見席で応援してた40〜50代くらいと思われる男性が倒れている。突然のハプニングに自分も周囲にいた観客もビックリである。

「先生、誰か倒れてい…」。声を掛けようとしたときにはすでに隣にいたはずの幹弥院長は意識を失っている男性のもとにいた。つい先ほどまでステージのメンバーに向かってサイリウムを振っていた人とは思えないほどてきぱきとした動きで横たわったままの男性の意識の確認や鼓動のチェックを行っていた。幸いにも倒れた男性はすぐに意識を取り戻し、自力で立ち上がって退出。どうやら軽いめまいを起こして一時的に意識を失ってしまったようだった。

「ああいうケースでは心臓が止まっていることもあるんですが、ちゃんと(心臓が)動いていたのでよかったです」。ただアワアワしていただけの自分とは違い、思わぬハプニングにも冷静に対処するところはさすが百戦錬磨の医師、プロフェッショナルである。

 中京スポーツではこれまでSKE関連の企画や記事で幹弥院長に何度か協力していただいているが、いつもファンの反応は上々。それは幹弥院長のSKEに対する思いが本物であると多くのファンが認めているからだと思う。

 幹弥院長にSKEを熱心に応援する理由を尋ねたことがある。「あんなにカワイイ子たちが合コンにも行かず、いろいろな制約がある中でファンのためにアイドル活動を頑張ってくれている。ボクは真面目に頑張っている人たちを応援したいんです」。その言葉からはSKEというグループへの愛情とともに「アイドル」という職業に対する尊敬の気持ちが伝わってきた。

 NGTの問題が起こって以降、48グループはこれまで経験したことのない逆風にさらされている。それはやはり「真面目に頑張る」というアイドルの最も大切な部分を放棄した人たちに対して、何の処罰も与えなかったことが原因ではないだろうか。「ボクは真面目に頑張っている人たちを応援したいんです」。幹弥院長だけでなく48グループを応援する人たちのほとんどがきっと同じ気持ちのはずだ。

(中京編集委員・宮本泰春)