8月のアジア大会(ジャカルタ)レスリング女子68キロ級代表選考試合が22日、都内で行われた。アジア大会は五輪階級で実施され、68キロ級で代表権がある昨年末の全日本選手権覇者・土性沙羅(23=東新住建)が左肩の手術に踏み切ったため、全日本65キロ級1位の源平彩南(げんぺい・あやな=21、至学館大)、同2位の森川美和(18=日体大)、同72キロ級1位の松雪成葉(18=至学館大)の3人で争い、2勝した源平が代表に内定した。

 源平は「沙羅先輩を尊敬していて、恩返しをしたいと思っているので必ず勝てるよう努力したい」と意欲を燃やした。

 一方で今回は、五輪4連覇の伊調馨(33=ALSOK)に対する日本協会の前強化本部長・栄和人氏(57)のパワーハラスメント認定後、初の代表選考会となった。日本協会では、パワハラ問題を委託した第三者委員会の指摘も鑑み、選手選考の透明化を強化する方針だ。試合を観戦した松浪健四郎副会長(71)は「密室ではなくみなさんの前で試合をして一番勝った選手を選ぶ。いいやり方だと思う」と話した。

 伊調とともにパワハラを受けたと認定された田南部力氏(43)はこの日、日体大女子の外部コーチとして森川のセコンドを務めた。内閣府の調査が出ていないため、パワハラ問題については触れなかったが「選考会に出場する選手の選び方も含め、平等な選考でレスリングの価値を高めていってほしい」と要望した。