レスリング女子で五輪4連覇を達成した伊調馨(33=ALSOK)が日本協会の栄和人強化本部長(57)からパワーハラスメントを受けていたとレスリング関係者が内閣府公益認定等委員会に告発状を提出した問題で7日、栄氏が監督を務める至学館大が「本学関係者への取材等について」と題した文書を発表した。

 谷岡郁子学長(63)の名義で、一連の報道を受け「高校生を含むレスリング選手たちはもとより、無関係の学生たちまでSNS等を通じて批判、侮辱されるような事態になっております。身に覚えの無い報道に加え、周囲に多大な迷惑がかかっていることから監督は衝撃を受け心身が衰弱し、日常生活を送ることも困難になっています。そのため、今は安静療養が必要です」(原文ママ)と栄氏の状態を説明。レスリング道場などで張り込みをする報道機関には「節度ある活動をお願い申し上げます」と取材の自粛を求めた。

 またNHKはこの日、ラジオ第1の番組「語りの劇場グッとライフ」の21日の放送回に出演予定だった伊調が出演を辞退したと明らかにした。21日は公開生放送の予定だったが、伊調側から辞退の申し入れがあったという。NHKは辞退理由を明らかにしていない。