昨年8月のレスリング世界選手権男子グレコローマン59キロ級で、日本男子では34年ぶりに金メダルを獲得した文田健一郎(22=日体大)が4月からミキハウスに入社し、同社所属となることが本紙の取材で分かった。12日に正式発表される。

 文田は山梨・韮崎工高時代から頭角を現し、2016年の全日本選手権で日体大の先輩でリオデジャネイロ五輪同級銀メダルの太田忍(24=ALSOK)に勝利し、初優勝。夏に世界王者になった。しかし昨年末の全日本(60キロ級)では太田に敗れ、悔し涙。尊敬する先輩と切磋琢磨し“勝った方が世界一”というハイレベルな戦いで、2020年東京五輪金メダルを目指している。

 文田は入社後も3月に卒業する日体大を拠点に練習を続ける予定。ミキハウスはリオ五輪カヌー男子スラローム・カナディアンシングルで銅メダルを獲得した羽根田卓也(30)ら各競技のトップ選手が所属する。同社にレスリング選手が入社するのは初めてで、レスリング界にも新たな風が吹いた。心強い支援を受け“猫レスラー”として知られる文田が五輪の頂点を目指す。