レスリングの全日本選手権3日目(22日、駒沢体育館)女子50キロ級で、10月に左ヒザと左足首の靭帯を負傷し全治3か月負傷を負いながら大会に出場したリオデジャネイロ五輪女子48キロ級金メダリストの登坂絵莉(24=東新住建)が23日の準決勝を棄権することになった。初戦の準々決勝を突破したものの、試合直後に登坂を指導する至学館大監督で日本協会強化本部長の栄和人氏(57)からストップがかかった。

 足の状態が万全ではないなか、試合直前まで悩みに悩み出場した。しかし五輪女王本来の動きからは程遠かった。「難しいですね。もう少しできると思ったが、なかなか思うようにいかなかった」(登坂)と表情は冴えず。取材を受けている登坂の元に栄氏がやってきて「やめた方がいい。これ以上出ると悪化する」とストップをかけた。登坂は涙を流しながら「分かりました」と了承した。

 栄氏は「もう一度ヒザを痛めたり、足首を痛めて悪化すればかなりのダメージになる。6月に向けてしっかり治した方がいい」と判断。コンディションを万全にし、6月の全日本選抜選手権での完全復活を目指す。