タックル王子の苦悩と嫉妬

2013年01月19日 11時00分

 レスリングのロンドン五輪フリー74キロ級代表の高谷惣亮(23=ALSOK)が苦悩していた。京都・網野高時代には“タックル王子”と呼ばれた高谷はロンドン五輪で屈辱の初戦敗退。レスリングの五輪メダリストたちが連日テレビ出演する華々しい姿に悔しさを募らせており、2016年リオデジャネイロ五輪でのメダル奪取を誓った。

 ロンドン五輪に初出場した高谷は大きな期待を背負いながら初戦で世界選手権3位アリエフ(アゼルバイジャン)に敗退。ホロ苦い五輪デビューを味わった。

 その一方、1階級下の米満達弘(26=自衛隊)が金メダル、同僚の吉田沙保里(30=ALSOK)、伊調馨(28=同)が五輪3連覇という偉業を成し遂げる大活躍を見せた。さらにメダリストたちは大会後、各方面に引っ張りダコ。高谷は天と地ほど違う注目度に複雑な心境を明かした。

「ホント、自分は目立ちたがり屋なんで、悔しくて悔しくて…。見ていられなくてテレビを切ります」(高谷)と連日、各種表彰式やイベント、テレビ出演を続ける仲間たちの“晴れ姿”に嫉妬心とともに、悔しさを募らせていた。そんな高谷は雪辱を果たすため、3年後のリオデジャネイロ五輪に照準を合わせた。ロンドン五輪後も多くの選手が休養を取る中、精力的に練習に取り組み、昨年末の全日本選手権で優勝。最優秀選手を意味する天皇杯も獲得した。

 さらに世界でも結果を残すため「本当に強い相手とどんどん戦いたい」(高谷)と、今までほとんど参加していなかった海外の国際大会にも出場する方針という。まずはヤリギン国際(1月、ロシア)や国別対抗戦ワールドカップ(2月、イラン)で海外強豪選手との力比べに臨む。
「今年はいろいろな経験を積みたい。そして9月の世界選手権でメダルを取ることが大事っすね。お正月におみくじを引いたら大吉が出たので、いいことがあると思います」という高谷は五輪まで突き進む。