フリー61キロ級3位決定戦で、初出場の中村倫也(22=博報堂DYスポーツ)はキューバ選手にフォールで敗れ5位だった。「階級を上げたばかりで、外国人選手の体の強さにはまだ追いついていないことを実感した」と振り返った。

 国内予選でリオ五輪銀メダルの樋口に勝ち、世界切符を手にした中村。2年前に亡くなった父・晃三さんは総合格闘技ジム経営や「バーリトゥードジャパン」に協力し、ヒクソン・グレイシー(58)らグレイシー一族招聘に尽力するなど、生まれながらに格闘技と関わりが深い。幼いころ、中村は来日したヒクソンに技をかけ遊んでもらったこともあったという。

 将来的には憧れてきた総合格闘技に転向する意向も持つが、今はレスリングに集中している。「今回の経験を無駄にせず、東京五輪では絶対に金を取る。そういう気持ちでこれからの3年間を頑張りたい」。格闘技の申し子が、東京五輪へ突き進む。

 なお、同86キロ級の松坂誠応(23=自衛隊)は1回戦でインド選手を下したが、2回戦でポーランド選手に屈した。同125キロ級の山本泰輝(20=拓大)は1回戦で中国選手にテクニカルフォール勝ちしたが、2回戦でキルギス選手にテクニカルフォール負けした。