【フランス・パリ24日(日本時間25日)発】怒とうの金メダルラッシュだ。レスリングの世界選手権4日目、女子4階級が行われ、60キロ級決勝でリオデジャネイロ五輪63キロ級金メダリストの川井梨紗子(22=ジャパンビバレッジ)が、アリシア・レーガン(25=米国)を13―0のテクニカルフォールで下し、初の金メダルを獲得した。69キロ級でもリオ五輪女王の土性沙羅(22=東新住建)が初の金メダル。さらに48キロ級では初出場の須崎優衣(18=エリートアカデミー)が金メダルに輝いた。

 須崎は優勝が決まると指導を受ける吉村祥子コーチ(48)と抱き合い喜んだ。「ずっと前から世界チャンピオンになるために厳しい練習をやってきたので、本当にうれしい。準決勝で危ない試合があったので、今大会の採点は10点。でも金メダルを取れたことは100点でいいと思います」と笑顔で振り返った。決勝ではエミリア・ブク(23=ルーマニア)と対戦。序盤、相手に投げを食らい2―4とリードを許したが、猛反撃。武器のタックルからローリングでポイントを重ね8―4と逆転すると、第2ピリオドに入っても攻撃の手を緩めず、3分42秒、14―4のテクニカルフォールで試合を決めた。

 負けず嫌いで、自分で決めたことは絶対にやり遂げるのが信条。尊敬するのは吉田沙保里(34=至学館大職)と、48キロ級リオ五輪女王・登坂絵莉(23=東新住建)だ。「吉田選手はどんな重圧にも押し潰されず勝ち続けてすごいです。登坂選手は最後まで強い気持ちを持ち、しっかり勝つ。自分も強い意志を持てるようになりたい」。

 東京五輪では48キロ級がなく、女子最軽量級は50キロ級になった。ケガで今大会を見送った登坂が最大のライバルだ。「チャンピオンになったといっても、登坂選手に挑む立場。強い気持ちで挑みたい」。楽しみな18歳だ。