女子レスリングの名門・至学館大が15日、2020年東京五輪を見据えて女子最重量級選手を一般募集すると発表した。

 リオ五輪では女子6階級中、唯一メダルに届かなかった最重量級の75キロ級で渡利璃穏(25=アイシンAW)が本来の63キロ級から急激な増量を経て出場にこぎつけたように、層の薄い重量級のレスラー育成は日本の懸案事項だ。レスリング界だけでは人材には限界があり、公募に踏み切った。

 とはいえ東京五輪までわずか3年しかないが、栄和人監督(57)は「軽量級は10年はやらないといけないけど、重量級は腕力、体力、練習の内容によっては3年間で間に合う。力をつけていけば荒々しい技でも通用する。身長170センチ以上で格闘技経験者が理想だけど、バレー、バスケ、陸上でも問題ない」ときっぱり。十分“勝算”はあるという。

 審査委員を務めるリオ五輪53キロ級銀メダリストの女王・吉田沙保里(34=至学館大職)は「面白い試みだと思う。どれだけの人が応募してくれるか不安はあるけど、東京五輪に出たいという人がいたらぜひ参加してほしい。体験したいなというくらいの人でもお願いしたい」と応募を呼びかけた。合格者はレスリング部で吉田らと一緒に練習する。異色の試みで東京への道は開けるか。

 なお応募資格は、満16~25歳の女性で体重58キロ以上のスポーツ経験者など。レスリング経験は問わない。書類選考、実技試験、面接を経て合格者が決まる。詳細は至学館大学学務課スポーツ振興部門セレクション担当まで。