レスリングの吉田沙保里(34=至学館大職)が5月から独立して活動を始めることが5日、分かった。現在所属のマネジメント会社TAGインターナショナルとは4月末で契約満了。新たな環境で選手兼コーチとして2020年東京五輪を目指す。

 02年世界選手権から3度の五輪を含め世界16連覇を達成。昨夏のリオデジャネイロ五輪女子53キロ級決勝では惜しくも敗れて銀メダルに終わったが、日本選手団主将としては6大会ぶりにメダルを獲得した。五輪後はテレビ、イベントなどで幅広く活動。選手としてだけではなく日本代表コーチにも就任し、後輩のよき手本になっている。

 関係者によれば、今後は選手兼コーチとしてのレスリング活動はもちろん、競技の普及活動により力を入れる予定だという。

 レスリングは13年、五輪種目除外のピンチに立たされた。世界レスリング連合(UWW)から競技の顔に任命され、海外で存続PR活動も行った吉田は、除外を免れた後も危機感でいっぱいだった。同じ事態が起こらぬよう、レスリング教室などを通じ、子供から大人まで幅広い世代に競技を浸透させたい希望を持っている。

「レスリングが私の軸」と常に話す吉田。東京五輪、そして何よりも大切なレスリングの発展普及のために、全身全霊をささげる。