リオデジャネイロ五輪レスリング女子48キロ級金メダリストの登坂絵莉(23=東新住建)が、2020年東京五輪に向けて再スタートを切る。慢性的に抱える左足親指痛のため、全日本選手権(21~23日、代々木)を欠場したが、年明け早々に手術に踏み切ることを決断。「自分でも、すっきりと納得できる治療法が見つかりました」と笑顔が戻り、マット復帰へ好材料になりそうだ。

 ずっと痛みに悩まされてきた。登坂はリオ五輪後、祝福の嵐の中でも「歩くだけで痛いので、忘れたくても、どうしても足のことを考えてしまう。気分転換もできない」と苦しんだ。当初は11月に手術する方向だったが、レスリング選手に前例がないなど納得いかず、一度は見送った。今回の決断は様々な意見を聞き、最良の方法を模索した結果だ。

 復帰までには2~3か月かかるもよう。すでに来年の世界選手権(9月、フランス)の代表候補だが、選考会を兼ねる6月の全日本選抜選手権には間に合いそうだ。

 全日本選手権では、同じリオ五輪金メダリストの川井梨紗子(22=至学館大)、土性沙羅(22=同)の優勝を観客席から見守った。48キロ級は17歳の須崎優衣(エリートアカデミー)が優勝し、打倒登坂を目標に掲げている。それでも、焦ることなく自分でとことん考え、最善の道を選んだ。世界選手権、東京五輪に向けて決意に揺るぎはない。