【国民栄誉賞】伊調馨の出身地・青森に「伊調武道館」設立へ

2016年10月22日 06時00分

五輪4連覇の伊調

 リオデジャネイロ五輪レスリング女子58キロ級で金メダルを獲得し、女子史上初の4連覇を果たした伊調馨(32=ALSOK)は20日、官邸で安倍晋三首相(62)から国民栄誉賞を授与された。通算24例目でレスリング界から2人目の受賞となったが、各方面で伊調の功績をたたえる動きは加速している。地元・青森を中心に「伊調馨」の名前を冠とした体育館などスポーツ関連施設の設置や、レスリング大会を創設するプランが浮上している。

 あでやかな紫の着物姿で授与式に臨んだ伊調は、安倍首相から表彰状や盾を受け取った。記念品として、文様が光吉装華文の京都・西陣産の本袋帯が贈られた。「本当に国民栄誉賞をいただいたんだな、と実感することができた。身の引き締まる思い」と神妙な表情で語った。“副賞”の記念品については「金色の部分が多い。あの帯にどの着物を合わせようか楽しみ。ワクワクしています」と笑顔を見せた。

 リオ五輪後、お祝いムードが続いている伊調には、今後も大きな“ご褒美”が用意されそうだ。出身地の青森・八戸市では、体育関連施設に伊調の名が付くプランが浮上している。八戸市スポーツ振興課によれば、八戸市体育館や武道館、プールなど市内の老朽化した体育施設の今後を検討する委員会が年内に立ち上がる予定。その中で、改修する施設に「伊調」の名前を付けることが検討されるという。

 すでにレスリング場がある八戸市武道館については「(施設は)現状のまま、伊調選手の愛称を付けるのがいいのでは、という声もあります」(八戸市スポーツ振興課)と、地元でも冠施設の要望は多い様子。また伊調の「栄光の道のり」などを展示した特設コーナーを作る案もあるという。どんな形にしても、地元の英雄の名がしっかりと後世に残る可能性は高そうだ。

 施設だけではない。日本レスリング協会の福田富昭会長(74)は「ジュニア世代の大会に伊調の名前を付けるのもいい」と提案した。伊調自身も小学生のころからレスリングに打ち込み、五輪4連覇という大偉業につなげた。「伊調杯」などの冠大会ができれば、子供たちの憧れの大会になるのは間違いない。

 国民栄誉賞の先輩でレスリング女子の吉田沙保里(34)の地元・三重県では、津市に屋内スポーツ施設「サオリーナ」が来年の完成を目指して建設中。また、同市では少年少女を対象にしたレスリング大会「吉田沙保里杯」もスタート。伊調も同様にその名を刻むことになるだろう。

 4年後の2020年東京五輪に向けて、周囲からは現役続行の期待も高まっている。伊調は今後の去就について「安倍首相からは、ニヤッとしながら『(五輪)5連覇を期待します』と言われました。『ケガもあるので、ゆっくり考えます』と答えました。自分でも知らなかった選択肢がある。すべてにおいて少しずつ前進していければ」。

 授与式後には、文部科学省の「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム」のアンバサダーとして安倍首相、来日中の国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長(62)らと会食するなど、すっかり日本スポーツ界の顔となった伊調。選手、指導者としてはもちろん、あらゆる分野で活躍の場を広げそうだ。

関連タグ: