<レスリング世界選手権>山口剛が誓う「恩師・永田さんとリオ五輪へ」

2015年09月03日 16時00分

永田譲りの敬礼ポーズで気合を見せた山口。師匠をリオに連れていけるか

 レスリング世界選手権(7日~、米国・ネバダ州ラスベガス)に出場するフリー97キロ級の山口剛(26=ブシロードクラブ)が、恩師の新日本プロレス・永田裕志(47)にささぐリオデジャネイロ五輪出場権獲得を誓った。同クラブの第1号選手は今や日本重量級期待の星。かつて永田が果たせなかった五輪出場に向け、山口が秘める思いとは――。

 

 6月末から約1か月間ジョージア(旧名グルジア)とポーランドに遠征し、現在は国内で最終調整中の山口は「練習と経験も前回(2013年ハンガリー大会で8位)より上だと思っているので、メダルを取って五輪につなげたい。会社にも監督にも恩を返したいので」と意気込んだ。

 

 今や重量級エースの山口にとって転機となったのは早大時代の12年。ロンドン五輪出場の夢が破れて留年した山口は「(地元の)岐阜の方で教員という道もありかな」と、レスリングを辞めることも考えていた。そこに現れたのが当時新設されたブシロードクラブ。監督の永田にスカウトされ、第1号生となった。

 

 生真面目すぎる山口と、グータラ…いやバランス感覚にたけた永田は妙にマッチ。「自分は練習をしないと不安になるんですが、監督は(弟の永田)克彦さんがアテネ五輪前にオーバーワークになった姿を見ていたらしく、いいところでストップをかけてもらえている」。ブシロードクラブ入り以降は国内無敗を誇っている。

 

 一度諦めかけた夢をバックアップしてくれる永田への最大の恩返しはもちろん五輪出場だ。来年8月開幕のリオ五輪は、新日プロ真夏の祭典「G1クライマックス」の日程と重なることが濃厚。だが山口は「監督には来年の夏はG1ではなく、リオへの切符を。ナガダンスのサンババージョンも練習しておいてもらわないと…。世界選手権でも(永田の必殺の)バックドロップを出せるチャンスがあれば出したいですね」と目を輝かせた。G1期間中に永田の付け人を務めながら「外国人同士で飲みに行きたいから」というだけの理由で食事の誘いを断ったジェイ・ホワイトにこのセリフを聞かせたい…。

 

 山口の心意気を聞いた永田も「闘魂クラブがブシロードクラブとして復活して、自分にとっても第2のライフワークになってきているしね。山口は世界を知ってきているし、今はアジアのレベルも高い。チャンスは十分あると思うよ」とエールを送る。バルセロナ五輪出場を果たせなかった永田の夢は、指導者として五輪の地を踏むことに変わった。託された思いを胸に、山口が大一番に挑む。