井上佳子 笑顔なき銅メダル

2012年09月29日 18時00分

【カナダ・ストラスコナカウンティ発】レスリング女子の世界選手権は27日、当地で開幕。67キロ級で井上佳子(24=クリナップ)が3位決定戦でインドの選手に2-0で勝ち、2年連続で銅メダルを獲得した。

 井上は2回戦で、今大会優勝のアデライン・グレイ(21=米国)に敗れたが、敗者復活戦でブルガリア選手を2—0で破って意地を見せて3位決定戦へ。第1ピリオドではインド選手のバックに回って先制した1ポイントを守り抜くと、第2ピリオドでは組んでから続いた攻防から相手の体を回して2ポイントを取り、1ポイントも与えずに押し切った。

 メダルを死守した井上だが、マットの上で腕を上げられても笑顔を見せなかった。レスリング女子を引っ張る日本の代表として最低限の結果を残したが、金メダルを目指していたとあって「米国戦も、勝った試合も逃げ腰だったりして自分のレスリングができなかった」と井上の口からはまず反省の言葉が出た。

 1階級上の五輪実施階級である72キロ級で結果を出すためにも、まずはこの階級で世界の頂点に立ちたかった。そのために、タックルに入る前に相手のバランスを崩す練習を積んできた。今大会でその成果を試したいと意気込んだが「相手に合わせてしまった」とうつむいた。

 日本の重量級女王・浜口京子(34=ジャパンビバレッジ)の動向も気になるが、4年後のリオ五輪出場へ、更なる強化を痛感したようだ。

「一番足りないのは気持ち。気持ちが足りないから、技が試合に出ないのだと思います。強引であっても、チャンスを生かそうとする気持ちがあれば、技につながると思う」。決勝で豪快なジャーマンスープレックスを決め優勝したグレイの姿を見ながら、自分に言い聞かせていた。