女子レスリングの吉田沙保里(32=ALSOK)が14日、都内でレスリングの世界選手権(9月、米ラスベガス)の女子代表メンバーとともに練習を公開。そのなかで男性コーチや男子選手とのスパーリングを拒否していることが明らかになったが、そこには霊長類最強の女なりの理由があった。


 来年のリオデジャネイロ五輪で五輪4連覇がかかり、今回の世界選手権では13連覇を狙う吉田が精力的に体を動かしているなか、栄和人総監督(55)は「練習では(女子選手を)けちょんけちょんにする。『男子と(スパーリングを)やれ』と言うんだけど『やりません』と言うんだよ。男の体を触るのが嫌なのかな。早く結婚したいと言っているのに」とボヤいた。


 さらなるレベルアップのためには、男性コーチ陣らとの練習が必要という親心も、あらぬ疑惑を招きかねない発言だけに、吉田は「男の人はめっちゃ好きですよ」と慌てて否定。近くにいた男性報道陣を触るしぐさまで見せた。友人である女子サッカーの澤穂希(36=INAC神戸)が11日に結婚を発表し、結婚願望がさらに燃え盛っている時期に“噂”だけが独り歩きするのは避けたかったようだ。


 吉田は6月の全日本選手権も辛勝で、年齢とともに圧倒的な強さを誇示できなくなっており、自身も男性コーチ陣らとの練習の必要性は理解している。それでも「ここまでなっちゃって(男子選手に)『こんなものか』と思われるのも嫌。自分の中のプライドもあってやられたくないのもある」と説明した。


 たとえ練習であっても敗戦のイメージを持つことを避け、常に勝利を優先する。こんな流儀も大舞台で勝ち続けられる秘訣なのかもしれない。