社会人でも〝超一流〟を目指す。レスリングの明治杯全日本選抜選手権(東京スポーツ新聞格技振興財団協賛)最終日(19日、駒沢体育館)、女子50キロ級決勝は東京五輪金メダルの須崎優衣(22=キッツ)が吉元玲美那(21=至学館大)を下し、2大会ぶり5度目の優勝。その後のプレーオフでも吉元に勝ち、世界選手権(9月、セルビア)代表を決めた。

 昨夏の東京五輪以来、約10か月ぶりの実戦でも盤石の強さを発揮した須崎は「世界チャンピオンになって、パリ五輪につなげられるように頑張りたい」と次なる目標へ意気込んだ。4月から総合バルブメーカーの「キッツ」に入社。「新しくたくさんの人に応援してもらえる環境が、すごく力になっている。会社の看板を背負っているので、活躍していい結果で恩返しできるようにしたい」と決意を新たにしている。

 入社後2か月は社会人としての心得のほか、会社や自社製品について研修を受けた。「今後は社内報の中でレスリングに関する連載記事を書いていただく予定。試合に向けての減量方法や試合の解説など、須崎さんにしかできないことを書いていただけたら」(同社関係者)と広報としての役割を期待されている。

 須崎自身も「レスリング以外の時に社会人のことを学び、文武両道のような感じでできたら」と会社の業務も手を抜くつもりはない。かねて「仕事面でも会社に貢献したい」と語っていた金メダリストが、競技と仕事の〝二刀流〟で再び頂点を目指す。