吉田沙保里“秘湯治療”で肉離れから回復

2015年06月29日 16時00分

福田会長(左)は吉田のケアに務めた

 レスリング全日本選抜選手権(21日)で世界選手権(9月、米国)女子53キロ級代表を決めた吉田沙保里(32=ALSOK)が23日の練習中、左肩裏に肉離れを起こしたことが明らかになった。指導する日本協会の栄和人強化本部長(55)は「世界選手権には間違いなく出場するが、10日間くらいはスパーリングができない状態」と説明した。

 

 そんな世界女王のピンチに動いたのが日本協会の福田富昭会長(73)。27日に負傷の一報を聞くと「ケガに効くいい場所がある」と言い、26日から始まっている新潟・十日町市の女子強化合宿から吉田を連れ出した。向かった先は東京・調布市内の温泉。右ヒジなどを痛めている48キロ級の登坂絵莉(21=至学館大)、右肩を亜脱臼した69キロ級の土性沙羅(20=至学館大)も同乗させ、福田会長が自らハンドルを握り、片道5時間の距離を車で移動した。

 

 ミネラル分豊富な黒い湯が特徴の温泉での湯治。さらに1人1時間半のマッサージを受けさせ「とても癒やされた」と3人は口を揃えた。

 

 さらに「肉が食べたい」と3人からリクエストを受けた福田会長は、赤坂のステーキ店での食事を手配。体づくりのために大食い指令が出ている吉田も、骨付き肉や巨大ステーキをペロリと平らげた。3人は都内に宿泊し、翌日合宿に復帰。栄強化本部長によると、3人とも故障箇所は良くなったという。

 

 28日、都内で日本協会の役員改選が行われ会長に再選された福田氏は「久々の長時間運転で腰が痛くなったが、みんなが驚くほど体が軽くなったと言っていたので良かった。早く良くなってほしい」とエールを送った。霊長類最強の女のピンチに、自ら秘湯治療をアレンジしたレスリング界のドン。世界選手権に向け、協会は手厚いケアで女王を後押しする。