反省だらけの13度目V 吉田沙保里に“大食い”指導

2015年06月23日 10時00分

優勝トロフィーを抱える吉田

 鬼軍曹が“スパルタ食指導”を再開させる。レスリングの全日本選抜選手権最終日(21日、代々木第二体育館)女子53キロ級決勝で、吉田沙保里(32=ALSOK)が入江ななみ(20=九州共立大)を5―3で下し、前身の大会を含め通算13度目の優勝を果たした。2016年リオ五輪代表がかかる世界選手権(9月、米国・ラスベガス)出場を決めた一方、体力面で課題を残した吉田には、食生活を改善すべく栄和人強化本部長(55)の徹底指導が入ることになった。

 序盤から軽快な動きで優勢に試合を進め、片足タックルなどで5―0とリードしたが、終盤入江に反撃を食らった。「体がフワフワしていた。うまく調整してきたつもりだが、試合後、監督(栄強化本部長)に『飯を食わないからだ!』と怒られた。お恥ずかしいことですが、体調管理をしっかりしなければ」と吉田は反省しきりだった。

 もともと小食だが、階級変更で55キロ級から53キロ級に下げたこともあり、食事量はさらに減っていた。練習後、食の進まない日は数口で終わることもあった。試合前日には焼き肉を食べに行ったが、吉田はわずかに白米を軽く1膳、タン塩3枚、ハラミ2枚を食べた程度。同席した女性たちよりも圧倒的に少なかったという。

 吉田の食生活をよく知る栄強化本部長は「これからはせめて毎食白米2膳はノルマ。昔のように、食べなければ叱るぐらい厳しく徹底する」。実は2004年アテネ五輪前、1日5食を課し、吉田が食べない時は「食べろ!」とちゃぶ台をひっくり返しそうになるほど怒ったこともあった。鬼軍曹が復活し、改めて体力をつけさせるというわけだ。

 さらには吉田の好物であるミルクティーも「水分ばかり摂取し食事ができなくなる。今日、禁止令を出した」(栄本部長)。食生活大改革は早くも始まっている。

 9月の世界選手権では、3度の五輪を含めた世界大会16連覇に加え、来年のリオ五輪代表の座がかかる。「若い選手が成長してきているが、国内でこういった(反撃される)試合を経験したほうがまた勉強になる。いつも大きな大会の前に教えてもらえている」(吉田)。世界選手権まで大食いに変身して、霊長類最強の女の強さを見せつける。