減量も万全だ。レスリングのアジア選手権(カタール)女子58キロ級で優勝した伊調馨(30=ALSOK)が11日、成田空港に帰国した。

 昨年末の全日本選手権で右ヒザを負傷して以来の復帰戦。ヒザの具合は現時点で「万全時の5~6割」だったが、3戦すべてフォールかテクニカルフォールで圧勝した。対戦相手は非五輪実施階級となった55キロ級から上げてきた選手が中心で、実力的には圧倒的な差があった。それでも「日本人にはない特徴を持つ外国勢と試合ができたことに大きな意味がある。出場して良かった」と納得の表情だ。

 階級を下げてから58キロ級で出場した国際大会はこれで3大会目。63キロ級時代より軽い選手との対戦にも慣れつつある。今回は故障で練習量が減っていたこともあり、伊調には珍しい3キロの減量も経験した。

 ただし、そこは世界トップのアスリート。抜群の「代謝」の持ち主だ。練習で2キロ近く落ち、計量前夜に食事を少しセーブして寝るだけで1キロ近く落ちた。朝から40度近い暑さのカタールで宿舎の外を15分走っても、すぐに800グラムほど落ちたという。減量対策も早くもばっちりだ。

 次戦は9月の世界選手権(米国)代表選考を兼ねる6月の全日本選抜選手権。世界選手権でメダルを獲得すれば、4連覇がかかるリオ五輪代表に内定する。「選抜までにいいレスリングができるようにしたい。まずはヒザの状態を7~8割まで持っていきたい」と気合が入っている。