【レスリング世界選手権】金メダル古市雅子 熊本の柔道少女から〝おきて破り〟の転向

2021年10月08日 12時00分

日の丸を掲げる古市(ロイター)
日の丸を掲げる古市(ロイター)

 レスリングの世界選手権6日目、女子72キロ級決勝で、古市雅子(24=自衛隊)がカザフスタン選手を3―0で下し、金メダルを獲得した。また、59キロ級で花井瑛絵(21=至学館大)、68キロ級で宮道りん(21=日体大)がともに銀メダルを獲得。57キロ級の南條早映(22=至学館大)も銅メダルに輝いた。これで日本女子は今大会の10階級で金4、銀3、銅2を獲得。東京五輪代表が不在でも、若手がメダルラッシュに沸き、2024年パリ五輪へ好発進した。

 レスリングの世界選手権女子72キロ級で、初の世界女王に輝いた古市は「うれしい気持ちでいっぱい。決勝の相手は知り尽くしていたが、勝ちたいという気持ちを持ち続け戦った」と振り返った。第1ピリオド、タックルでポイントを奪い先制し、相手の反撃も防ぎきった。この日は先に行われた女子3階級で金メダルが取れず、古市が最後の砦となった。「そういう時こそ自分が金メダルを取ると言い聞かせた」と、重圧を力に変えた。

 将来有望な若手を集め育成するJOCエリートアカデミー(2008年開校)の第1期生。初代センター長を務めた日本レスリング協会・福田富昭前会長(79)の肝いりでスタートさせた事業だったが、全国の指導者たちは教え子を送り込むことに慎重で開校を前になかなか選手が集まらなかった。そこで、福田前会長が柔道コーチに相談し、目を付けられたのが熊本の柔道少女・古市だった。

 本来ならば中学生が対象だったが、古市は入校時に小学6年生。“おきて破り”でも強化したい逸材だった。レスリング未経験の小学生ながら頭角を現し、14年から世界ジュニアで3連覇。19年には初の世界選手権で3位に入り、ついに今年、世界女王の称号を得た。

 72キロ級は五輪で実施されないため、24年パリ五輪出場へ向けて五輪階級へ殴り込みをかける。「階級はこれから考えたい。パリ五輪へ向け、一歩ずつ成長できていけばいいと思う」。世界女王の挑戦は始まったばかりだ。

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