レスリング女子のレジェンド・吉田沙保里が指導者に転身できない理由

2021年10月05日 06時15分

オリジナルレスリングシューズを手に、30代最後の野望を語った吉田沙保里(©YSW Tokyo Inc.)
オリジナルレスリングシューズを手に、30代最後の野望を語った吉田沙保里(©YSW Tokyo Inc.)

 レスリング女子で五輪、世界選手権を合わせ16連覇のレジェンド・吉田沙保里が、5日に39歳の誕生日を迎えた。東京五輪を終え、早くも2024年パリ五輪への戦いがスタートした後輩たちを温かく、時に厳しく見守る元祖霊長類最強女子を直撃。現役選手たちに期待することや、指導者に転身できない理由、そして30代最後の年こそかなえたい「あの目標」についても熱く語ってもらった。

 ――レスリングの世界選手権(オスロ)女子が4日からスタート。3年後のパリ五輪に向け、新たな戦いが始まった

 吉田 女子は東京五輪で金4つ。よく頑張りましたが、今大会に出る若手も強いんです。彼女たちが3年後にくるかも。戦いぶりに注目しています。

 ――気になる選手は

 吉田 全階級ですが、大学の後輩でもある50キロ級の吉元玲美那(至学館大)には注目しています。すごく練習します。全日本選手権で優勝して、自信もついてきた。でもここで負けるようでは(同級東京五輪金メダルの)須崎優衣(早大)に勝つのはちょっと難しいかな。あと、53キロ級の藤波朱理(いなべ総合学園高)は余裕で優勝じゃないですかね。手足が長いし、レスリングがうまい。

 ――藤波の階級は東京五輪で向田真優(ジェイテクト)が金メダルを獲得。他の階級でも、12月の全日本選手権で五輪女王対世界女王の対戦が実現したら面白い

 吉田 (川井)梨紗子たちメダリストはどうするかな。12月を休んだとしても、来年の全日本選抜でもいいし、出てきてほしいですよね。

 ――沙保里さんは、ほぼ休まず大会に出続け、世界大会16連覇。話題を常に提供してくれた

 吉田 私は休まなかったですね。でも私はケガがなかったし、それに今の子たちは彼氏がいますからね(笑い)。ふと結婚したいなとかって思うんじゃないですかね。

 ――時代も大きく変わりました。今の選手と吉田選手のころとで大きく違うことは

 吉田 今の選手たちで気になるのは、合宿や練習中に元気がないこと。おとなしい子が多い。私のころは、浜ちゃん(浜口京子)たち、年上の人たちもすごく声を出していたので「静かにしろ!」と言われるぐらい、盛り上げた。自分が明るく元気に盛り上げて、元気のなかった子も笑う姿を見るのが好きだった。吉本新喜劇を見て育ったので。あのころの声の量が10だとしたら、今の子たちは3ぐらい。もっと声を出さないと。

 ――強ければ静かでもいい気もするが

 吉田 強い時はいい。でもいい時ばかりじゃないですから。日本が弱くなったり、調子を崩した時に、誰も盛り上げなかったら、暗いままで浮上のきっかけをつかめない。疲れている時こそ、みんなで元気出すことが必要ですよね。きついことやるなら楽しくやらないと。

 ――いっそ、沙保里さんがコーチに就任してビシバシと

 吉田 できない、できない(笑い)。私は技は教えられる。でも勝たせるのは難しいですよ。私は選手に「もうきついです。無理です」って言われたら、かわいそうと思って「ああ、わかった、もういいよ」ってなっちゃう。鬼になれない。勝たせるためには、心を鬼にして、しつこくできる人じゃないと。

 ――確かに優しすぎますね。さて、5日は39歳の誕生日。30代最後の年の誓いは

 吉田 結婚します!

 ――出ました!

 吉田 ハハハ。いや、結婚しなくてもいいんです。まずはパートナーを見つけ、そこから結婚、子供につながれば。ゆっくり行こ!

 ――は、はい。その他、挑戦したいことは

 吉田 結婚以外はないなあ(笑い)。というのは冗談で、なんでも楽しくいきたい。ずっとレスリングばかりだったので。あと、今まで応援してくれた方々に39(サンキュー)の思いを込めてオリジナルのレスリングシューズを作りました。

 ――初挑戦じゃないですか

 吉田 ジムや室内の運動でも履けますよ。私にまつわる連勝記録の数だったり、好きな星のデザインが入っています。思いを込めたシューズです。ぜひ、ご活用ください!

【吉田のオリジナルレスリングシューズ】「PRIME ATTACK SAO(プライムアタックサオ)」は5日に発売。アシックス社が手がけ、同社レスリングシューズでは日本人で初のオリジナルモデルとなる。吉田の公式ホームページ、アシックスオンラインストアなどで限定発売される。

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