虎のリーダー続々と消えチーム迷走

2012年08月24日 18時00分

<悩める阪神タイガース「凋落虎の深層」4>

 7月29日のDeNA戦(甲子園)の初回、先頭打者・荒波の左前に落ちる打球を金本の拙守で三塁打にしてしまった。攻守に精彩を欠く今季を象徴するプレーだった。チーム内からは「ベテランを優遇しすぎ」「守りに不安があっても打率3割ぐらい打てば文句はないが、そうではない。若手を起用すべき」といった“ベテラン不要論”が噴出するようになった。

 今季の不振は金本をはじめ、新井貴、平野、ブラゼル、マートンといった主力野手が揃って調子を落としてしまったことが最大の要因だが、ベテラン勢の不調は単に戦力をダウンさせただけではなかった。

 2003年にリーグ優勝に導いた星野監督(現楽天)、05年Vの岡田監督(現オリックス)はともに自らリーダーシップを発揮してチームをけん引した。これに対して09年に就任した真弓前監督や和田監督は他のコーチとの“協調”を重んじるタイプ。チームの「まとめ役」を務めたのは金本らベテラン選手だった。

 自らのバットで結果を出すとともに若手が緩慢なプレーをすれば苦言を呈した。ところが、金本は10年の開幕直前に右肩痛を発症。攻守に影響を及ぼすほどの故障でチーム関係者が「仕方がないことだけど、あの故障でチームのことよりも自分のことで精一杯になってしまった」と指摘した。

 投手のリーダーだった下柳も昨オフに戦力外通告を受けて楽天に移籍。若きリーダーだった赤星も故障のため09年オフに引退しており、チームの“まとめ役”が不在となってしまったのだ。和田監督が就任直後にキャプテン制の導入を発案したのもリーダー不在に危機感を抱いたからだった。ただ、藤川と鳥谷を指名したものの、思うように機能しているとは言いがたい状況だ。

 監督経験もあるOBは「リーダーになる選手というのは生まれ持った資質がある。そういう選手は高校や大学でもキャプテンに指名されている。ドラフトでリーダーになる資質がありそうな選手を指名して、英才教育をしていかないと生え抜きのリーダーは生まれない。これは監督、コーチを自前で育てることにもつながる」と提案する。

 精神的な支柱となる“リーダー”を欠いたチームが迷走するのは当然のこと。そして、この低迷は金本をはじめとしたベテラン勢の今後の処遇をどうするか、という難題も抱えることになった。

 

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