【韓国・仁川1日発】アジア大会レスリング・男子グレコローマン66キロ級決勝で、ロンドン五輪同60キロ級銅メダルの松本隆太郎(28=群馬ヤクルト販売)は昨年の世界王者・柳漢寿(26=韓国)に0―2で敗れ銀メダルだった。

 満員の会場から「大韓民国」コールが沸き起こる完全アウェー戦。序盤から一進一退の攻防が続く。松本は積極的に圧力をかけていくが、最初に松本に「消極的」を意味する警告が来る。相手のグラウンドの攻めをこらえ、0―0で第2ピリオドに突入。再び攻めるが、またも松本に警告が付き、1点を奪われた。その後、やっと相手にも警告が付いたが、グラウンド攻撃で得点ならず。最後はもつれた際に足が出て1失点し、悔しい敗戦となった。

 グレコ王国の意地がある韓国のホームということで、首脳陣からは「初めから2失点しているつもりで戦え」と言われていたという。「自分の詰めが足りなかったということ。点を取れない自分が悪い。(表彰台の)てっぺんに立ちたかった」と悔しそうに話した。

 現在は群馬大大学院にも通学し、知識を広げている。アジア大会を目標に練習を続けてきたが、今後については「今は分からない」と明言を避けた。世界一を狙える力を持つことは証明されただけに、再びナンバーワンを目指してほしいと周囲の期待は高まっているが…。