【韓国・仁川28日発】アジア大会レスリング女子75キロ級の浜口京子(36=ジャパンビバレッジ)はモンゴル選手に大接戦の末敗れ、メダルを逃した。

 悔しい敗戦に浜口の目から涙がこぼれた。「アジア大会に向け、しっかりレスリングと向き合って生活してきた。この舞台に立て感謝している。でもたくさんの方に応援してもらったのに、勝てなくてすみませんでした」と律義に話した。

 3位決定戦の第1ピリオド、消極的と判断された浜口に、30秒以内に得点しなければ相手に1点が入る攻撃タイムが課せられる。浜口は得点できず、相手に1点と自らに警告が付いた。第2ピリオド、相手にも攻撃タイムが課せられたが、逆に浜口が自らの攻撃で1点を取ったため、相手に警告は付かなかった。その後1点を奪われ1―2。ラスト4秒、浜口のタックルに一度は主審が2点を上げた。しかし相手が再審を要請。結果、場外に出したという判定で1点に減らされ2―2。警告の数で敗れた。

 結果的に相手の攻撃タイムで自らが得点し、相手に警告がつかなかったことが勝敗に影響した。攻撃的レスリングを推奨する世界レスリング連合(UWW)の姿勢と矛盾する新ルールの穴に泣かされた。

 2012年ロンドン五輪以来、個人戦では初の国際大会。女子は最重量級が72キロから75キロに上がったため、浜口も増量にはげんだ。体づくりのプロである父・アニマル浜口氏(67)の指導のもと、一度の食事に4時間をかけ、一時は78キロにまで増やし大会に臨んだ。

 初戦も中国選手に大接戦。勝利まであと一歩だった。今後については「勝てなくて悔しいですが今できる全力は出しました。今は少し落ち着きたい」と話した。