レスリングの世界選手権(ウズベキスタン)フリー74キロ級で銀メダルを獲得した“タックル王子”高谷惣亮(25=ALSOK)が11日、成田空港到着便で帰国。「素直にうれしいです」と笑顔だったが、現地では信じられない出来事に遭遇していた。3回戦で2008年北京五輪銅メダルのムラド・ガイダロフ(34=ベラルーシ)に勝利。次の試合に備え休んでいたところ、ガイダロフが高谷に近づき頭の上から熱湯をかけてきたという。

「ワーって、怒って何か言っていました。自分も『何だよ!』って立ち上がったら和田(貴広)監督に『あいつは毎回こうだから相手にするな』と言われ抑えました。試合中もグーで殴ってくるし、信じられないっすよ」

 このガイダロフは問題児として有名。04年アテネ五輪でも判定に怒り、相手選手、スタッフ、観客を巻き込んだ乱闘になった。10年たっても成長しておらず、今大会では高谷への暴挙以外にも審判に殴りかかり、世界レスリング連合(UWW)のデュソン事務総長は「永久出場停止もありうる」と、厳しい処分を口にしている。高谷は「いや~、髪の毛があったからやけどを防げた。良かったですよ」とイケメンに傷がつかずホッとひと安心。「銀メダルで、もっといい位置でCMに映れますかね」と、ALSOK社のテレビCMで吉田沙保里(31=ALSOK)の背後でアゴだけ映っている現在のポジションからの“昇格”も狙っている。