レスリング世界選手権 注目の男子3選手

2014年08月24日 16時00分

強運に恵まれた不死身の男・高橋(上)

 男女とも新階級で行われるレスリングの世界選手権が9月8日からウズベキスタン・タシケントで行われる。女子53キロ級代表の吉田沙保里(31=ALSOK)、58キロ級代表の伊調馨(30=ALSOK)ら女子に大きな注目が集まっているが、フリースタイル、グレコローマンの男子も負けていない。「不死身の男」や「オタクレスラー」ら個性派揃いの選手が金メダルへ虎視眈々だ。

 

フリー57キロ級・高橋侑希「不死身の男」

 初出場初メダルを目指すフリー57キロ級代表の高橋侑希(20=山梨学院大)は「奇跡の生還」を遂げた男だ。

 

 昨年4月、山梨県内で自転車に乗っている際、走行中の車にはねられた。約10メートルは吹っ飛ばされて体を道路に強く打ちつけた。車のフロントガラスは割れ、高橋は車からはるか先で倒れたまま。誰がどう見ても大惨事だ。

 

 しかしレスリングで鍛えると空中で身体バランスが整うものなのか、高橋は頭部を打たず、意識を失っていなかった。しかも、救急車で搬送されながら「第三者から連絡が行くと、とんでもない事故に遭ったと驚かせてしまう」(高橋)と山梨学院大監督で日本レスリング協会専務理事の高田裕司氏(60)らに自ら携帯電話で連絡。「もしもし、交通事故に遭いました。今、救急車の中です」と冷静に報告したというから電話を受けたほうもびっくりだ。

 

 結局、太ももの裂傷で17針を縫うことになったが、骨折など選手生命にかかわるケガはなし。奇跡的な状態に、医師からも「これはすごい」と驚かれたという。1か月後の5月には試合復帰。いやはや恐ろしい肉体だ。

 

 高橋も「レスリングをやっていて本当に良かったと思いました」。高田氏も高橋の最大の特徴に「冗談ではなく、体が丈夫なこと。交通事故のこともそうだが、普段からまったく風邪も病気もしないこと」を挙げた。

 

 世界選手権前哨戦と言われる2日のジオルコウスキ国際(ポーランド)では銀メダルを獲得した。「決勝ではロシア選手に逆転され、世界選手権前につめの甘さが分かった。修正していきたい」

 

 強運に恵まれた不死身の男が世界の大舞台でもミラクルを起こすのか。