レスリングのロシア合宿は超危険な紛争地帯だった

2014年08月17日 16時00分

帰国したグレコ日本代表選抜チーム

 レスリングのグレコローマン日本代表選抜チームが“サバイバル合宿”を終えて帰国した。ロシアの秘境地帯で3週間にわたって行った危ないキャンプの中身とは――。

 

 ロシア代表チームとの合同合宿で、当初は2年前にも訪れたソチで行うものと予想していたが…飛行機とバスを乗り継ぎ現地に到着してみると「ここはどこだ?」。見渡す限り山また山。2012年ロンドン五輪代表の長谷川恒平(29=青学大職)らが「グーグルマップ」で調べたところ、ロシア連邦の一つで北カフカスのカバルダ・バルカル共和国と判明した。

 

 同共和国は武装勢力による襲撃や自爆テロが起こっており、外務省の渡航情報で「渡航の延期をお勧めします」とされている危険地域だ。ただし合宿地は都市部ではなく、標高2000メートルの山岳地帯で、周囲には何もない山の中。実は、集中して練習するにはもってこいの環境だった。ロシア代表とともに繰り返し行ったのが、山岳地帯を10キロ疾走するランニングだ。グルジアとの国境を越えて戻ってくるコースもあり、機関銃を携帯した国境警備隊を横目に、なんと選手たちはパスポートを携帯しながら走ったとか。

 

 めったに体験できない緊張感。世界選手権(ウズベキスタン)、アジア大会(韓国・仁川)に向け「ベールに包まれたロシアの練習ができ、トップ選手と肌を合わせられたのは収穫」(元木康年コーチ)、「ロシアのトップ選手とのスパーリングでも、日本はやられていなかった。高地で体力もついたと思う」(笹本睦コーチ)とその収穫は大きい。貴重な経験を本番につなげたい。