レスリングの大ベテランが、結婚式を延期して大一番に挑む。9月のアジア大会(韓国・仁川)フリー70キロ級代表の小島豪臣(30=中原養護学校教)が29日、ポーランド遠征に出発した。

 小島は6月の全日本選抜選手権で6年ぶり3度目の優勝(66キロ級時代を含む)。教員生活で週1回程度しか練習が積めていなかったなかで、地力の違いを見せつけた。プレーオフも制し、アジア大会代表に決定。実は、アジア大会直前の9月20日に挙式を予定していた。だが、試合に集中するため、来年2月に延期することを決めた。「式場の方も理解してくれ、妻も応援してくれている。精一杯戦いたい」と力を込めた。

 8年前のドーハ大会は銀メダル。悔しい思いを晴らすためにも、目標は金メダルだ。今回の海外遠征は実に3年ぶり。「(教職の)休みをいただいて参加します。ありがたい。1週間集中してレスリングができるのは久しぶり。海外の選手を相手にいろいろ試したい」。夫人の理解を得て、ドーハに残してきた忘れ物をしっかりと取り返す。