【スポーツ情報局】

 五輪担当記者:今、中南米がキテますよ。

 デスク:サッカーの日本代表監督にメキシコ人のアギーレ氏が決まったことか?

 記者:いえいえ、レスリングですよ。先週、パンアメリカン選手権(メキシコ)女子で、エクアドル、コロンビアといった中南米諸国が8階級中6階級優勝と大躍進しました。これまで、米大陸で吉田沙保里(31)や伊調馨(30=ともにALSOK)のライバルといったら、米国やカナダでした。実際、中南米女子が五輪でメダルを獲得したのは2008年北京、12年ロンドン大会でわずかに1つずつ。北米が圧倒的に強かったんです。

 デスク:何が起きたんだ?

 記者:日本レスリング協会関係者によれば「04年アテネ五輪で(女子が)五輪正式種目になってからの普及活動が、軌道に乗ったのでは。16年リオ五輪開催国のブラジルも頑張っている」とのこと。ブラジル女子は日本に頻繁に合宿に来ていますし、独自に大会も開催するそうです。昨年の世界選手権でもコロンビア選手のタックルを受けた伊調が「身体能力がすごい」と話していました。技術が身に付いてきたとすれば、強敵になりますね。

 デスク:グレイシー一族やノゲイラ兄弟を生んだブラジルを筆頭に、もともと中南米は格闘技が強いものな。柔道では寝技の強い選手も多いよ。9月の世界選手権(ウズベキスタン)でも、日本勢は要注意だな。