これぞ真のスパルタ式練習だ。レスリングのグレコローマン日本男子チームが、7月に韓国で行われる「アジアグレコ合宿」に参加することになった。9月のアジア大会(韓国・仁川)を控え、韓国側が計画した。日本だけではなくアジア諸国も加わるが、合同合宿が行われる場所が驚きのひと言。なんと「韓国軍基地」だという。一体、どうなるのか?

「日本も参加しないか?」。2012年ロンドン五輪で金1つ、昨年の世界選手権(ハンガリー)では金2銀1を取るほどグレコローマンで絶好調の韓国から“衝撃”の招待が舞い込んだ。

 7月にアジア諸国を招き「アジアグレコ合宿」を行うという。場所はこれまでのようにソウル近郊にある同国のナショナルトレーニングセンター・泰陵(テルン)選手村かと思いきや…。なんと大邱(テグ)市にある韓国軍基地だ。

 すでに怖いもの知らずのイラン、カザフスタン、キルギスなどが即参加を表明。日本も“参戦”を決めたが「軍隊ですよ、軍隊。テヌンでも韓国は十分スパルタなのに、軍隊で一体どんな練習が待っているんでしょうか。有刺鉄線が張り巡らされる中とか…」(西口茂樹グレコ強化委員長)と興味津々だ。

 これまでも、レスリングや柔道の代表選手が精神修行のため自衛隊の空挺団に体験入隊を行うことはあった。しかし、他国の軍に“入隊”するなど聞いたことがない。

 しかも、韓国側がこれまでひそかに受け継がれてきたであろう“韓国軍式秘密特訓”を他国のライバルに経験させるとは…。日韓関係が微妙な状況だけに、まさに異例中の異例だ。

「まねできるものならしてみろ、という韓国の自信の表れでしょう。まあ、行ってみますよ」(西口委員長)

 日本グレコ勢はアジア大会の前哨戦となる4月のアジア選手権(カザフスタン)で、銀3つを獲得し、調子が上向きになっている。9月の世界選手権(ウズベキスタン)とアジア大会を前に、超絶スパルタ練習でさらに強くなる。