高校からの競技スタートで五輪銀メダルを獲得した永田克彦氏の〝チャレンジ人生〟

2020年12月28日 14時40分

永田克彦氏

【取材のウラ側 現場ノート】2000年シドニー五輪レスリング男子グレコローマン69キロ級銀メダルの永田克彦氏(47)に会う機会があった。ちょうどリオデジャネイロ五輪グレコ59キロ級銀メダリストの太田忍が大みそかの「RIZIN.26」への参戦を表明した後。レスリング選手の総合格闘技(MMA)適性について、MMAでも活躍した永田氏に聞いてみた。

 ――レスリング出身選手はMMAに有利か

「本気でやりこんだら強くなる。僕がやっていた約15年前はMMAが好きな人が集まって、模索しながらという感じ。でも今は競技化が進んで覚える技術も多く、どの競技ベースでも、やりこんだ人が勝つ」

 ――グレコ選手がMMAに向いているとの声もある。真偽はどうか?

「グレコは体の強さがある。僕は、米国のカレッジレスリングのベースがあってグレコをやっていると、なお強いと思います。カレッジはテイクダウンがベースで、立ち上がる動きもすごい。ダン・ヘンダーソン(米国のグレコ五輪代表経験がある総合格闘家)がそうですね」

 話を聞いていて永田氏のユニークな経歴を思い出した。高校からの競技スタートで五輪銀メダルを獲得した。現役中は警視庁の所属。警察官という安定職を辞めて新日本プロレス入りし、MMAに転向。ジムを経営する傍ら、レスリングで現役復帰し42歳で全日本制覇。次々に新しいことに挑戦する。変化も他人の視線も怖がらない。いわゆる「自己肯定感が高い人」だ。

「そうかもしれませんね。幼稚園のとき、すでに『自分は人と違う』と感じていた。両親が共働きで、幼稚園から帰った後、親が帰ってくるまで預け先で一人で考えて遊ばなければいけなかった。たぶん、自分で考えて決めることが小さいころから当たり前だったからですかね」

 スポーツで大成する人は永田氏のように「自己肯定感が高い」人が多い。平々凡々の凡人記者には憧れワードだ。こちらも聞いてみた。「私、自己肯定感が低いんですよ。変わりたいんですけど、私なんか…」と言いかけたところで、ストップ。「ほら、中村さん。『私なんか』なんて言ってちゃだめですよ。そこから変えないと」。2021年に向けて「私なんか禁止令」発令だ。
 
(レスリング担当・中村亜希子)