国別対抗団体戦女子ワールドカップ(3月15、16日)で優勝したレスリング日本女子チームが、吉田沙保里(31=ALSOK)の父で3月11日に死去した栄勝さん(享年61)に、改めて結果を報告した。

 代表コーチだった栄勝さんは、東京へ向かう車中でくも膜下出血のため急死。吉田は告別式などに参列するためチームを離れたが、悲しみをこらえ試合前日に合流。見事、仲間とともに2年ぶり7回目のVを飾った。

 試合と重なり告別式に参列できなかった木名瀬重夫コーチ(52)、浜口京子(36=ジャパンビバレッジ)らチーム関係者らが大会後に三重の実家へ弔問し栄勝さんに優勝を知らせた。

「会場で一緒に戦ってくれていたからご存じだと思うが、行ってきました。いまだに信じられないです」(木名瀬コーチ) 浜口は大会翌日にW杯の金メダルの帯にメッセージをしたため、吉田に渡した。これも遺影の脇に供えられていたという。

 吉田は31日、都内で行われた「日本スポーツ応援団」発足記者会見に出席。練習も開始しており、7日から都内で行われる代表合宿に参加する。「6月の全日本選抜選手権に向け練習をしていきたい。9月の世界選手権(ウズベキスタン)に出場し、新階級(53キロ級)で優勝することが目標」と力強く話した。新階級では初となる世界選手権の金メダルを父に贈る。