「引退」琴欧洲 理想の“指導者像”は父親

2014年03月21日 16時00分

涙で土俵に別れを告げた琴欧洲

 大相撲の元大関で関脇琴欧洲(本名・安藤カロヤン=31、佐渡ヶ嶽)が20日、日本相撲協会に引退届を提出した。ブルガリア出身の琴欧洲は2006年初場所後に欧州出身初となる大関に昇進。史上4位の47場所にわたって大関を務めた。ただ、近年は故障続きで今年の初場所から関脇に陥落。春場所は2日目から9連敗し、11日目から休場していた。

 琴欧洲は引退会見で「体がボロボロになって、思うように相撲を取ることができない。精神的にも体力的にも限界がきた」と涙を拭った。今年1月には日本国籍を取得済み。20日付で年寄「琴欧洲」を襲名し、今後は佐渡ヶ嶽部屋の部屋付き親方として後進の指導にあたる。

 将来の大きな目標もある。いずれは独立して“琴欧洲部屋”を創設することだ。琴欧洲は「独立して自分の部屋を持つことは、夢としては持っている。まず親方をやってみて、どんなものかを勉強していかないと」とのプランを明かしており(本紙昨報)、当面は独立のための「準備期間」にあてる構え。ゆくゆくは部屋を構え、どんな師匠になるのかも興味深いところだ。その琴欧洲には、理想とする“指導者像”があるという。

 それは、レスリングのコーチだった父・ステファンさん(57)だ。琴欧洲自身も少年時代には父親からレスリングの基礎の手ほどきを受け、メキメキと上達。その後に欧州ジュニア王者にも輝いた。当時の体験から、琴欧洲は「厳しく教えるだけじゃダメ。(競技の)面白さとか、強くなる楽しさを教えていかないと。それに、人それぞれの体の大きさとか体形によって教えることも変わってくる。その人に合った教え方をしないと」と力説した。

 今なお一部には旧態依然とした指導方法が残る角界にあって、琴欧洲の合理的な考え方は欧州出身者ならでは。親方としての手腕にも注目だ。