【レスリング全日本選手権】女子50キロ級・須崎 優勝をつかんだ「勇気の2文字」

2019年12月23日 16時30分

優勝した須崎は歓喜の表情。対照的に入江(奥)はぼうぜん…

 手のひらに「勇気」の2文字で猛攻だ。レスリングの全日本選手権(駒沢体育館)で22日、注目を集めた女子50キロ級は、決勝で元世界女王の須崎優衣(20=早大)が、入江ゆき(27=自衛隊)を下して優勝。2020年東京五輪アジア予選代表(3月、中国)に決定した。同予選で2位以内に入れば五輪代表に決定する。

「ようやく五輪のスタートラインに立てた。いろいろな人に支えてもらって感謝の気持ちがこみ上げた」と涙があふれ出た。メダルを獲得すれば東京五輪代表に決まる世界選手権の代表決定プレーオフ(7月)で入江に敗れ、一度は五輪の道が遠のいた。絶望して辞めようと思ったこともあったが、吉村祥子コーチ(51)にかけられた「0・01%でも可能性があるなら一緒に頑張ろう」との言葉で前を向いた。代表合宿にも参加。世界選手権を2度も制しながらあえて世界ジュニアにも出場し優勝。地道にレスリングに取り組むと、再びチャンスが巡ってきた。

 入江はシニアになり、唯一負けている相手。プレーオフの記憶もまだ鮮明だ。試合中に襲う恐怖心を乗り越えるため、吉村コーチが手のひらに「勇気」と書き、マットに送り出した。「初めてスタドニク(アゼルバイジャン=五輪銀メダル)と戦う時にも書きました。どれだけ練習していても、怖さがあると攻め切れない。心の部分がすごく難しいので。どうにか背中を押してあげたかった」(吉村コーチ)。これで宿敵相手に終始、勇気を出してプレッシャーをかけ続けられた。

 夢の東京五輪代表まであと一歩だ。「今はほっとしたというより、絶対に金メダルを取りたいという気持ち。アジア予選で代表になり、五輪で金を取るために一から頑張りたい」(須崎)。苦労してつかんだチャンスを決して無駄にはしない。

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