レスリング女子の強豪至学館大の監督に復帰する栄和人氏(59)に課せられた最初のミッションとは――。

 同氏は昨年6月、五輪4連覇の伊調馨(35=ALSOK)らに対するパワハラ問題で、監督を解任。昨年末から非常勤の学外コーチを務めていたが、至学館大の発表(20日)によると、選手たちとの信頼関係が再構築された上、復帰要望も高まっていたことから監督就任を決めたという。栄氏は「再び監督になれるとは夢にも思っていませんでした。そして、このチャンスをいただけたことに心から感謝すると同時に身が引き締まる思いです」とコメントした。

 もちろん、復活した栄監督に期待されているのは、その“手腕”だ。至学館大を拠点にしている栄氏の教え子で、リオデジャネイロ五輪金メダリストの登坂絵莉(26)と同金の土性沙羅(25=ともに東新住建)を12月の全日本選手権で再起させること。同選手権では栄監督がセコンドにつく可能性もあるという。

 登坂が出場する50キロ級は、世界選手権で入江ゆき(27=自衛隊)が五輪出場枠を取れず、全日本の優勝者が3月のアジア予選に臨む。68キロ級は土性が世界選手権で五輪出場枠を獲得したもののメダルを逃し、全日本優勝が五輪代表決定には必須という状況。果たして栄監督は2人を大舞台に導けるか。