川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)がレスリングの世界選手権・女子57キロ級で五輪代表に決定したことで、五輪4連覇の伊調馨(35=ALSOK)の5度目の五輪出場は厳しくなった。

 パワハラ問題を乗り越え、昨年10月に復帰。12月の全日本選手権では川井梨を破り、日本一に輝いた。しかし、ブランクに加え、古傷や故障発生で思うような練習が積めないことも影響し、全盛期の動きを完全に取り戻すまでにはいかず。6月の全日本選抜、7月のプレーオフと川井梨に2連敗し、世界選手権代表の座を逃した。

 川井梨が五輪切符を獲得した場合、階級を変えて五輪を目指すことについては7月の時点で「それはないかな」と話している。また1つ上の62キロ級で川井梨の妹、友香子(22=至学館大)が五輪出場権を獲得した時点でその可能性もなくなる。

 関係者によれば、去就についてはあくまで伊調本人の意思を尊重し、あえて聞き出すような話し合いはしていないという。「レスリングが本当に好きだし、引退という言葉にこだわる必要はないのでは」という声もあるが、国際舞台を目指す第一線に立つ可能性は低そうだ。