レスリングの世界選手権(9月、カザフスタン)代表決定プレーオフ(6日、和光市総合体育館)女子57キロ級で、五輪4連覇の伊調馨(35=ALSOK)はリオデジャネイロ五輪女子63キロ級金メダリストの川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)に敗れ、代表の座を逃した。川井が世界選手権でメダルを獲得すれば2020年東京五輪代表に決まる。前人未到の5連覇がかかる伊調の自力での東京五輪出場は消滅した。

 試合後、こみ上げる涙をタオルで押さえた伊調。「悔しいが、やるべきことはやってきたので後悔はない。背中を押してくれた仲間に、五輪に立つ姿を見てほしかった。見せられなくて今は本当に悔しい」と厳しいチャレンジを支え続けてくれた仲間を思った。

「自分が弱かったとは思わないです。梨紗子が強かった」と潔く言い切った女王。東京五輪出場の可能性は川井の結果次第となったが「どうなるかは分からないけど、この日の経験を生かし、選手、指導者としてレスリングに携わっていきたい」と前を向いた。