教え子の2020年東京五輪出場へ、新日本プロレスのレスリングチーム「ブシロードクラブ」の永田裕志監督(51)が大奮闘だ。レスリングの全日本選抜選手権初日(13日、駒沢体育館)、男子フリー97キロ級準決勝で山口剛(30=ブシロード)が、92キロ級で世界3位の松本篤史(31=警視庁)を4―2で下し、14日の決勝に進んだ。

 今大会は世界選手権(9月、カザフスタン)代表選考会を兼ねる。昨年末の全日本選手権で2位だった山口は今大会で優勝し、プレーオフ(7月6日)も勝つことが世界代表への道。絶対に負けられないとあって、永田監督は今大会に向け山口のサポートに奔走した。

 山口の母校・早大チームで参加したモンゴル・オープンには“ミスター”も同行。部屋が足りないため、巨体の2人がダブルルームで共同生活となったが、永田監督は長く現役を続けられた体づくりや精神面の秘訣を伝授したという。練習相手がいなかったため、打ち込みの相手も務めた。

「俺はグレコだから、フリーのスパーリングは慣れてなくてね。しかも全日本トップクラスだからしんどかったよ…」とこぼしながらも必死に汗を流したという。モンゴルではビジネスで成功した元新日プロのブルー・ウルフとも再会。豪華ディナーを振る舞ってもらった。体を張り、コネも生かしたサポートのかいがあり、山口は調子を上げて自信を取り戻した。

「監督は1か月付きっ切りで一緒にいて、助言をしてくれた。安心して練習に臨めました。明日(決勝)も勝ちます」(山口)。夢の東京五輪へ師弟が二人三脚で歩む。