団体戦で競うレスリングの東日本学生リーグ戦2日目(14日、駒沢体育館)、右ヒザの不調から戦線を離脱していた世界選手権フリー65キロ級金メダリストの乙黒拓斗(20=山梨学院大)が1~4位決定リーグの日体大戦70キロ級に出場。昨年末の全日本選手権以来となる復帰戦を勝利で飾った。

 世界王者が男気でチームに貢献した。右ヒザに菌が入り、3月、4月の国際大会を欠場。現在も万全ではないとあって直前まで棄権するつもりだった。しかしチームを率いる小幡邦彦コーチの顔を見て「お世話になっているので借りを返さないといけない。行動で返したかった」とすぐに翻意。ウオーミングアップなしでマットに上がり、15―5のテクニカルフォールで圧勝した。チームも勝利し、7連覇へ前進した。

 乙黒は「やるからには負けたくなかった。試合は心が熱くなるし、ワクワクして楽しかったです」と久々の感覚を味わった。