レスリングの全日本選手権女子57キロ級で、決勝進出を果たした五輪4連覇の伊調馨(34=ALSOK)が22日、初めて2020年東京五輪への挑戦を明言した。

 伊調はこの日の1次リーグ戦初戦で、リオデジャネイロ五輪63キロ級金メダリストの川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)との女王対決に敗北。だが2戦目と準決勝で連勝を飾り、決勝(23日)進出を決めた。決勝では再び川井と激突する。

 試合後はノーコメントでミックスゾーンを通り過ぎたが、試合から数時間後に協会を通じて談話を発表。「(10月に復帰戦を行った)三島のときよりも練習量は上がっています。気持ちも技も体力も戻ってきていることが分かりました」と復調の手応えを感じている様子。

 さらに今大会を「五輪に向けての本当の復帰戦」と位置づけ「もっと(状態を)上げていきたい気持ちがあります。本当の勝負はこれからだと思っています」とも明かした。

 パワハラ騒動を経ての復帰戦となった10月の全日本女子オープン選手権では「年齢も年齢なので、簡単に言えない。5連覇したいという気持ちを心の底からつくらないといけない」と東京五輪には明言を避けていた。

 今回は前人未到の5連覇へ向け初めて自身の口から前向きな姿勢を示した格好で、絶対女王が決勝で完全復活した姿を見せられるか注目される。