レスリングの全日本選手権3日目(22日、東京・駒沢体育館)、女子57キロ級で五輪4連覇の伊調馨(34=ALSOK)が決勝戦進出を決めた。23日に行われる決勝戦でリオデジャネイロ五輪63キロ級金メダリストで、この日のリーグ戦初戦で敗れた川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)と再戦する。

 今年1月に発覚した当時の強化本部長・栄和人氏(58)のパワーハラスメント問題が大騒動に発展した伊調は、10月の全日本女子オープンで復帰。五輪5連覇へ向け3年ぶりの全日本選手権に出場した。

 同級は出場選手7人を2組に分けて1次リーグを行い、各組上位2人が決勝トーナメントに進出する。B組初戦でいきなり川井と史上初の「五輪女王対決」が実現。2度目の対決があり得ることを考慮したか、両者ともにけん制し合う展開が続き、伊調は2度にわたり消極的姿勢の選手に与えられる30秒のアクティビティタイムでポイントを奪えず、川井に2ポイントを許し1―2で惜敗。2001年12月の全日本選手権の吉田沙保里戦以来、実に17年ぶりの敗戦だった。

 それでも2試合目で南條早映(19=至学舘大)を6―2で下し、1次リーグをB組2位で突破。準決勝でも花井瑛絵(19=至学舘大)に3―0で勝利を収め、決勝に駒を進めた

 頂点をかけた“女王対決第2ラウンド”では、手の内を探り合ったこの日の対戦とは展開が異なる可能性が高い。大一番を前に伊調はノーコメントを貫き、緊迫した空気を漂わせた。