レスリングの全日本選手権2日目(21日、東京・駒沢体育館)、女子62キロ級は世界選手権銀メダリストの川井友香子(21=至学館大)が昨年の59キロ級に続き優勝した。

 川井友は「試合前に足がフワフワして大丈夫かなと思ったが、絶対勝つという強い気持ちで臨んだこともあり、勝てて良かった。今大会では準決勝でミスしてポイントを与えてしまったのは反省」と振り返った。Vの原動力は、やはりリオ五輪63キロ級金メダルの姉・川井梨紗子(24=ジャパンビバレッジ)の存在だ。

 姉妹で2020年東京五輪での金メダル獲得を目指しているが、2人は体格が似通っており、同じ階級にならないように階級選択も重要になる。今大会前に姉と階級の話になった際には、まず姉にどの階級に出るかを決めてもらったという。川井友によれば「自分は梨紗子より弱いので、自分がこの階級にしたいといって変えさせるわけにはいかない」。しかし、姉は姉で「妹の方がまだ若くて伸び盛りなので、減量しなくていいように」と自らが軽い階級での挑戦を決断した。

 妹の思いに対して、姉の覚悟。この姉妹の“相乗効果”が「正直自分に自信はない。勝てているのは運がいいだけ」と謙遜する川井友の力になっているのは間違いない。残り2年を切った本番まで、姉妹の戦いは続く。